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心臓のつくり〜進化の過程〜
加藤学習塾ブログ
2023/05/21
みなさん、こんにちは。
今日はセキツイ動物の心臓のつくりを見てみましょう。
面白いことに、心臓の作りをみると進化の過程を見ることが出来ます。
心臓の作りは、全身から血液が心臓に入ってくる心房という部屋と、全身に血液を送る心室という部屋で構成されており、その数をみていきます。
1つめの魚類は、1心房・1心室というつくりです。
魚類はえらで直接、水中の酸素を血液に取り込むので、この単純なつくりで問題ありません。
次に両生類は、2心房・1心室という作りです。
全身から血液が戻ってくる心房と肺から酸素を受け取った血液が心臓に入ってくる心房があるのですが、心室が1つしかないので、そこで、二酸化炭素が多い血液と酸素が多い血液が混ざり合います。しかも、一つの心室で肺に送る血液と全身に送る血液を送らないといけないので、血液循環・ガス交換(血液中の二酸化炭素を排出して酸素を取り込むこと)の効率はよくありません。
そのため、両生類は大人になり陸に上がると、皮膚呼吸も行い、不足分の酸素を補います。しかも、皮膚呼吸を行うためには、常に皮膚が水分を含んでいないといけないため、水場を離れることができません。
次には虫類は、不完全な2心房・2心室という作りです。
両生類と比べると、肺に送るための心室と全身に血液を送るための心室が分かれているのですが、その心室と心室の間の壁の筋肉が薄いかもしくは筋肉がなくて、まだ動脈血(酸素の多い血液)と静脈血(二酸化炭素の多い血液)が混ざり合う状態です。
そのため、は虫類は代謝が低く、普段は動きが止まっているか動きがのろい動物が多く、また、体温が下がる冬は冬眠をしますね。
次に、鳥類とほ乳類は、2心房・2心室という作りです。
肺に送るための心室と全身に血液を送るための心室が分かれているため、動脈血(酸素の多い血液)と静脈血(二酸化炭素の多い血液)が混ざり合うことはありません。そのため、血液循環・ガス交換の効率がよく、代謝も高いので、体温が常に一定な恒温動物ですね。
冬でも、冬眠することはありません。
そして、激しい運動をしても、全身に酸素を送る効率がいいので、長時間運動を続けることができますね。
進化の過程でいうと、鳥類とほ乳類が一番、体のつくり的には最適かもしれません。
しかし、環境に適応して生き延びてきた生物がこの地球に生息しているわけですから、どの動物が最強とか決められないですね。
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