幕末にもあった円安!?|岡山の進学塾|加藤学習塾・個別指導塾

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幕末にもあった円安!?

加藤学習塾ブログ

2022/10/20

みなさん、こんにちは。

最近、ものすごい勢いで円安が進んでいますね。
円安とは円の価値が下がることです。
例えば、「1ドル=100円」から「1ドル=200円」のように、外貨の価値が上がり、逆に円の価値が下がり、外貨と交換するのに多くの円が必要な状態です。
こうなるとどうなるのでしょうか。
まず、輸出を考えます。
100万円の車を輸出するとしましょう。「1ドル=100円」なら1万ドルで取引されるが、「1ドル=200円」なら5千ドルで取引されます。つまり、安く外国市場に入ることが出来るので、外国市場での競争力が高まり、購買される可能性が高くなります。また、少ないドルで多くの円を獲得することが出来て、収入増になりやすいです。よって、円安は輸出に有利です。
一方、輸入を考えてみましょう。
1万ドル分の牛肉を輸入するとしましょう。「1ドル=100円」なら100万円で取引されるが、「1ドル=200円」なら200万円で取引されます。つまり、国内での輸入品は物価高につながります。また、多くの円を外貨にされて相手国に渡すので損失が大きいです。よって、円安は輸入に不利です。

実は為替市場が導入されるはるか以前、約160年前の幕末に、この円安になる状態を利用したことがありました。
ペリーの横浜来航以来、開国を迫られて、アメリカ・イギリスをはじめ、欧米の列強各国に通商修好条約を結ばれて、日本の関税自主権が喪失しました。
関税自主権とは、外国の輸入品に関税をかけることにより価格を上げて、国産品を守ろうとすることですね。
よって、関税自主権の喪失は、外国産の安い輸入品がどんどん入ってくることを意味します。
しかも、その貿易でのやりとりは、欧米各国は洋銀を用いたのに対して、日本は金貨を使わされて、日本国内の金貨がどんどん外国に流出していきました。
それに対して、幕府は金融政策を行いました。
「万延小判金」という金貨を大量に鋳造します。この金貨は、金の比率を約2割ほどに大幅に下げたものでした。しかも、粗悪な金貨を大量に市場に回すことによって、金貨の価値を下げていきます。金貨の価値が下がると、その分、物価が上がります。インフレーション(インフレ)の状態になっていったのです。
金貨の価値が下がるという「円安」の状態と物価が上がる「インフレ」の状態により、欧米各国から日本への貿易は、日本への輸出をしても「円安」と「インフレ」による物価高で全然売れずに、コスト増であり粗悪な金貨を大量に入手することになり、また日本から輸入しようとしても物価高であり大量の洋銀を用意しないといけなく、まさに日本の金融政策は一定の効果がありました。


しかし、中国でのアヘン戦争でのイギリスの勝利や、アメリカの南北戦争の終戦とともに徐々に日本にも欧米の最新式の武器が入ってきて、幕府側と尊皇攘夷側での内紛がひどくなり、明治維新へとつながりました。
幕末はいろいろなドラマがあり興味深いですね。


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