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利根川はかつて東京湾に流れていた!?~江戸幕府を開くにあたっての大工事~
加藤学習塾ブログ
2022/06/17
みなさん、こんにちは。
今日は利根川の話をします。
利根川は流域面積が日本一の川だというのは中学地理で出てくるかと思います。
現在の利根川は東京中心部に近付いたら東に迂曲して千葉県銚子あたりから太平洋に流れていますよね。
しかし、昔の利根川は関東平野中心部を流れて、東京湾に流れていたということをご存じでしょうか?
昔の関東平野は利根川をはじめ、多摩川・荒川・隅田川など多くの河川が集中しており、常に洪水が発生して荒れ地でした。
そして、徳川家康が江戸幕府を開く際に、最も念入りに大改修を行ったのが治水工事です。洪水などの災害をおさえつつ、物流のために町中に運河を張り巡らせました。そして、利根川の水量に危機感を覚えた家康は、なんと川をせき止めて、別の水路に流して東に迂回させて、別の川とつなぎ、千葉県の方に流れを変える大規模な工事を行ったのです。
この治水工事のおかげで、約260年も続く時代を築くことが出来たとともに、東京は日本の首都になりました。また、利根川の流れが変わったことにより、千葉県や茨城県の流域では、土砂が堆積して、関東一の穀倉・野菜・畜産地帯となっており、現在の大規模な近郊農業につながっています。
川の流れを変えて地図を変えてしまった家康は恐るべしですね。
ちなみに、日本は急峻な山脈から流れが急な川が流れ、また梅雨や台風など降水量が多くなる時期があるので、常に洪水に悩まされてきて、その度に治水の技術を発展させていきました。中世から近世にかけての日本の治水技術は世界一と言われて、研究者に一目置かれているようです。
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