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日本の地理学について~2つの系統がある!?~
加藤学習塾ブログ
2022/05/31
みなさん、こんにちは。
今日は、日本の地理学の話をします。
地理というと、何をイメージしますか?
地図・地形・自然・気候・農業・水産業・工業・経済・文化・宗教・生活・政治などなど・・・
いろいろイメージしますね。
一言でくくることができませんが、人と場所の関わり全般を扱うのが地理です。
欧米で「場所性(placeness)」という地理学の概念があるのですが、文明を築いている以上、人と場所は切り外して考えることは出来ませんね。
さて、そんな地理学ですが、日本の地理学は主に2つの系統があります。
それは「人文地理学(human geography)」と「自然地理学(natural geography)」です。
人文地理学は、人に重きを置いた地理学です。なので、文化や歴史・生活との関わりなど、地図や統計ではわかり得ないことも視野に入れる必要があるので、フィールドワーク(現地調査)や聞き取り調査が主流です。この系統の地理学はフランスで発展していきました。
一方、自然地理学は、地形・自然・植生・土壌・気候・海流・災害など自然条件に重きを置いた地理学です。なので、科学的手法を用いた分析が主流です。この系統の地理学は、化学が盛んだったドイツで発展していきました。
日本が地理学を大学教育に取り入れるときに、京都帝国大学(現京都大学)は人文地理学が主流だったフランス地理学を参考にして文学部に、東京帝国大学(現東京大学)は自然地理学が主流だったドイツ地理学を参考にして理学部に設置しました。
そのため、現在でも、京都大学文学部や岡山大学文学部など西日本では文系学部に地理学が置かれ人文地理学が主流で、東京大学や東北大学理学部・筑波大学など、東日本では理系学部に地理学が置かれ自然地理学が主流です。
日本の地理学では、文系的アプローチと理系的アプローチがなされていて面白いですね。
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