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「お別れの言葉」の異文化比較
加藤学習塾ブログ
2022/05/24
みなさん、こんにちは。
人と別れるときに、日本では「さようなら」と言いますね。
しかし、この「さようなら」という言葉のお別れの意識は日本独特なのではと思うことがありました。
漫画「ONE PIECE」の中に、次のようなセリフがあります。
主人公ルフィが、2年間の修行を経て仲間たちと合流する場面で、お世話になったハンコックに「さよならという言葉だけは言わずに去ってくれぬか」と聞かれて、主人公ルフィの返事は「なんだおれそんなの誰にも言ったことねえよ。また会いてぇもんな。ほんじゃ行ってくる。またな」というものでした。
何気ない会話ですが、日本人にはなかなか出来ない発想だなと思って印象に残りました。
英語でお別れの言葉を見てみますと、確かに「Bye.」という言い方もありますが、「See you./ See you soon./ See you later.」といった感じで、「また会おうね」が一般的です。
フランス語でさようならは「Au revoir.」です。「au」は「~までに」という意味で、「revoir」の「re」は再び(英語の接頭語re「再び」と一緒ですね)、「voir」は「人に会う」という意味です。つまり、「再び会うときまでに」という意味で「また会おうね」という意味です。
ドイツ語でさようならは「Auf Wiedersehen.」です。「auf」は「~に向かって」、「Wiedersehen」の「wieder」は「再び」、「sehen」は「会う」という意味です。つまり、これも「また会おうね」という意味です。
欧米の意識としては、お別れというよりも「また会おうね」という人のつながりが、意識としてあるのかなと思います。
「Society(社会)」の語源も「仲間・連合・同盟」です。人のつながりを大切にしているのですね。
一方で、日本のさようならの語源は「さようならば(そのようであるならば)」から来ています。
つまり、「さようならば、これにてご免」や「さようならば、お元気で」などというふうに省略された言葉です。
日本は長く島国で閉ざされていたために、同一のつながりのもとで同一の共通認識を育んできたために、「空気を読む・場を読む」文化が育まれてきました。それが、言語にも表れた影響なのかなと思います。
いろいろな言語のさようならを調べてみたら面白そうですね。
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