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大学入試共通テスト地理の問題を見てみよう~SDGsの視点から「フードロス問題」~
加藤学習塾ブログ
2025/01/24
みなさん、こんにちは。
今日は1月18日実施の大学入試共通テスト「地理総合・地理探求」で出題された問題より、「フードロス問題」について考えましょう。
フードロス問題とは、まだ食べられるにもかかわらず廃棄される食品のことです。日本では年間約550万トンもの食品が捨てられており、その多くが家庭や食品製造業で発生しています。生産から消費に至る過程で、在庫管理や食材の使い切りが課題です。環境負荷の軽減や資源の有効活用のため、消費者の意識改革や事業者の努力が必要です。また、寄付や再利用の仕組みを活用し、食品ロス削減に向けた取り組みが急務です。
さて、話を戻して、共通テストの地理では、以下のような統計が示されて、その統計から読み取れることについての説明文が適切かどうかという形で出題されました。
〈各段階におけるフードロスの割合〉
南・東南アジア(途上国)
→①生産・収穫:6.0%、②貯蔵:17.9%、③加工:7.6%、④卸売・小売:7.5%、⑤消費1.8%
ヨーロッパ(先進国)
→①生産・収穫:20.0%、②貯蔵:7.2%、③加工:10.9%、④卸売・小売:4.3%、⑤消費9.8%
途上国では、食べ物は生活に直結するということもあり、全体的にフードロスは先進国であるヨーロッパより割合が低いですが、貯蔵の段階で、フードロスの割合が高いです。
これは、高温多湿な気候であり、腐敗が進みやすいこと。青果売り場が屋外だったり、小売業が個人経営が多いこと。大型の冷蔵施設など、設備が不十分であること。伝統的な栽培方法や小売業であり、保存方法に関する知識が乏しいことなどが挙げられる。
一方で、先進国であるヨーロッパでは、全体的にフードロスの割合が高く、「生産・収穫」段階、「加工」段階、「消費」段階で、特に高いです。
「生産・収穫」段階では、業者が定める品質基準に満たないものが廃棄される問題があります。
この問題を解決するために、例えば、日本のJA直売所のように、農家が直接販売するところを設けたり、規格外の生産物を学校の給食や病院食、ボランティアが提供する食事など、別の形で活かす仕組みづくりが大事かと思います。
「加工」段階では、品質の良い商品を作るために、生産物の部位を選ぶ傾向があります。例えば、野菜の葉っぱのとこだけとか、卵の白身だけとか、肉の赤身のとこだけとか。
そうではなく、加工業者がフードロス問題を深く意識して、可食部位はなるべく活かせるような商品づくりが大事かと思います。
「消費」段階では、まず、業者の視点でいくと、小売店に、常に商品が陳列している状況が、先進国にとって異常だと思います。
常に、消費者の動向をチェックして、流通・在庫を商品ごとに管理できる仕組みづくりが大事かと思います。
また、少しぐらいの商品の風味の劣化は致し方ないとして、消費期限をもう少し延ばして、商品を売り切って、廃棄を少なくしていく企業努力も大事かと思います。
また、消費者視点でいくと、無計画に大量に購入してしまう消費者もよくないと思います。
必要量を必要な期日分用意する計画的な商品の購入が大事かと思います。
また、一度消費した食品の残りを別の料理にアレンジして使い切ることも大事かと思います。例えば、肉じゃがの残りをカレーとかにしたりするというのは、よく見かけます。
また、最近では、外食業界でも、コロナ禍の影響もあり、デリバリー容器があるところもあり、持ち帰りできるところが増えています。
外食して、食べきれなかった分は、デリバリー容器に入れて、持ち帰ることも、行っていけばいいとおもいます。
日本は特にフードロス問題が深刻な国だといわれています。
業者・消費者の両面で考えていきたいですね。
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