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移牧の種類~気候によって工夫している~
加藤学習塾ブログ
2022/07/06
みなさん、こんにちは。
今日は移牧の話をします。
移牧とは、季節によって、家畜を移動させて拠点を移す牧畜業のことです。
古代から行われている原始的な畜産業ですが、地形や気候によって工夫がなされています。
この移牧は3種類あります。
1つめは、正移牧と呼ばれるものです。
イタリア南部やスペイン東南部・バルカン半島など地中海地方では、普段は平地に暮らしているのですが、地中海性気候(夏は少雨温暖・冬は多雨温暖)で夏は暑く乾燥しているため牧畜に向いていません。そのため、涼しくて雪解け水で牧草が成長している山地に拠点を移します。山地の拠点には、生活用の簡単な小屋と家畜小屋があります。
2つめは、逆移牧と呼ばれるものです。
イタリア北部やスイス・フランス東部では、普段は山地に暮らしているのですが、冬になると気候が厳しく牧草も育たないので、低地に拠点を移します。
アニメ「アルプスの少女ハイジ」はアルプス山脈を舞台にしているので、この逆移牧の一端をみることができます。
3つめは二重移牧です。
スペインとフランスの国境沿いのピレネー山脈やスペインのイベリア半島中央部、ルーマニアで見られる形態であり、普段は山のふもとの丘陵や扇状地などに居住地と牧場があり、夏は温暖湿潤な気候を避けて高地へ拠点を移し、冬は寒冷な気候を避けて、低地へ拠点を移す牧畜です。
気候や牧草地が生える時期によって、家畜と生活拠点ごと移す牧畜は面白いですね。
世界には遊牧など、家畜とともに生活・人生を共有しているものがたくさんあります。
興味があったら調べてみましょう。
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