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日本地理の統計問題にチャレンジ~日米修好通商条約で開港した5港のある県の特色~
加藤学習塾ブログ
2023/09/04
みなさん、こんにちは。
今日は以下の日本地理の問題にチャレンジ
問い:「1858年、日米修好通商条約によって函館・横浜・長崎・新潟・神戸の5港が開港しました。以下の統計はその5港がある北海道・神奈川県・長崎県・新潟県・兵庫県の最近の統計です。それぞれの統計がどの道県なのか推測してみよう」
ア:人口約915万人、面積2416km²、海岸線の長さ432km、農業産出額約850億円(米約4%、野菜約56%、果実約10%、畜産20%)、工業出荷額約16兆5000億円
イ:人口約550万人、面積8401km²、海岸線の長さ850km、農業産出額約1700億円(米約27%、野菜約26%、果実約2%、畜産40%)、工業出荷額約15兆2400億円
ウ:人口約230万人、面積12584km²、海岸線の長さ635km、農業産出額約2600億円(米約58%、野菜約15%、果実約3%、畜産19%)、工業出荷額約4兆7000億円
エ:人口約137万人、面積4132km²、海岸線の長さ4183km、農業産出額約1600億円(米約8%、野菜約33%、果実約9%、畜産33%)、工業出荷額約1兆8000億円
オ:人口約535万人、面積83424km²、海岸線の長さ4461km、農業産出額約1兆2100億円(米約10%、野菜約18%、果実約1%、畜産58%)、工業出荷額約6兆1400億円
アは面積が小さい割に人口が多く、大都市圏ですね。農業規模が大きい訳ではないですが、野菜・畜産の割合が高く近郊農業型ですね。工業は出荷額が多く、京浜工業地帯を有する神奈川県だと分かります。神奈川県は横浜市・川崎市・相模原市という政令指定都市を3つ有しており人口密度がかなり高いです。京浜工業地帯では、横浜港・川崎港という貿易港や、巨大市場を背景に重化学工業が発展しています。
イは人口が多く、工業出荷額も多いので阪神工業地帯を有する兵庫県だと分かります。兵庫県の農業も野菜・畜産の割合が高く近郊農業型ですね。神戸牛はブランド牛として地位を占めています。神戸港は古代から平城京・平安京につながる玄関口として重宝されました。
ウは農業産出額に占める米の割合が高いので米どころの新潟県ですね。工業地域は北陸工業地域の一角を担っており、新潟県沖で採掘される国産石油の石油化学関連や中小企業の高い技術力・専門性を活かした精密機械産業が盛んです。江戸時代のときは西回り航路の寄港地として発展しました。
エは面積の割に海岸線の長さが長く、複雑に海岸線が入り組んだリアス海岸が発達した長崎県だとわかります。また、平地が少ないので農業産出額に対して米の割合が低く、野菜・畜産の割合が高くなっています。リアス海岸による入り組んだ地形によって港湾都市が出来やすく、長崎市・佐世保市などの港湾都市が出来ました。
オは面積も大きく農業産出額が大きいので北海道だと分かります。北海道と言えば酪農ですが、近年、冷涼な気候でも耐えうる米の品種が開発されて石狩平野での稲作が盛んになっています。北海道の工業は地域によって多種多様であり、巨大な市場を有する札幌市ではビール工業、巨大な港を有する室蘭では鉄鋼、ほたてやわかめ・こんぶなどの漁獲が盛んな函館市では水産加工・沖合漁業が盛んな釧路市では水産加工、広大な後背地に森林を有する苫小牧市では製紙・パルプ工業といった具合です。函館市は江戸時代のときに西回り航路・東回り航路の出発地として松前藩の多くの漁獲物などを江戸に献上しました。
どうでしたか?見分けが付きましたか?
この5つに共通するのは、港湾都市として発展した町があることですね。商業によって人が集まりやすいのがやっぱり港湾都市ですね。
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