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南米チリのサケ漁~日本のおかげで発展!?~
加藤学習塾ブログ
2023/01/30
みなさん、こんにちは。
今日は魚のサケについてです。
日本の食卓でも焼き魚やサーモン、寿司、おにぎりなど、サケは欠かせませんね。
日本のサケですが、国内消費量のうち、なんと8割が輸入による外国産です。
しかもその相手国1位がサケで有名なカナダやノルウェーではなく、南米のチリという国であることをご存じでしょうか?
チリは世界的にみてもサケ大国です。チリのサケの生産量はノルウェーに次ぐ世界2位でシェア率約3割あります。
チリのサケ漁発展は実は日本が寄与しています。
実は、元々、サケは北半球にしか生息していませんでした。なので、南米のチリにはサケは生息していませんでした。
1970年代にチリの水産関係者が日本の北海道に訪れたり、日本のJICA(日本国際協力機構)の職員や専門家がチリに訪問したりして、チリでサケ漁という新しい漁業を展開しようとしました。
その理由は、地理的条件にあります。
まず、南米のチリ沖合はフンボルト海流という寒流が流れており、北海道に流れている親潮の寒流の性質と似ていました。
そして、フンボルト海流や深層海流が海底にあたることで派生する上昇海流によって、オキアミやプランクトンなどのえさが豊富にあります。
さらに、南米の西海岸は海岸からすぐ陸地に入るとアンデス山脈がそびえており、流れが急で水量が豊富な河川が豊富にありました。
まさに北海道の地理的条件と類似しているわけです。
チリのサケ漁開発は、日本から卵をもっていて孵化させて河川に放流する、いわゆる「栽培漁業」をずっと試みていましたが、なかなかうまくいきませんでした。
そこで、いけすの中で完全に管理する海面養殖に切り替えると、成功して、徐々に漁獲高を増やしていきました。
今では、日本をはじめ、アジアや北米などにサケを供給する漁業大国に発展しています。
そして、もう一つ注目すべきは、日本のこうした国際援助のおかげで、チリにサケの養殖漁業という新しい産業を産出したことにあります。このおかげで、新しい雇用の場ができ、チリの産業発展に貢献しています。
サケという食材にそんな深いドラマがあるのですね。
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