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SDGsについて考えよう~ガーナのゴミ問題~責任は先進国それともガーナ?~
加藤学習塾ブログ
2022/09/04
みなさん、こんにちは。
今日紹介するのは、西アフリカ最大の不法ごみ廃棄場の「アグボグブロシー」です。
ガーナの首都アグラの近くにあり、主に電子機器ごみ(Eーwasteという)が不法投棄されて、現在、約150haの敷地面積(東京ドーム約30個分)に数千tもの廃棄物が貯められていった地区です。世界最大級の電子機器ごみの廃棄場になっており「世界最大の電子機器ごみの墓場」と言われています。
ここは、かつて、マングローブ林であり、自然豊かなところでした。
首都アグラの都市化により、開拓が進められていき、2000年ごろから、この地区にごみの不法投棄が進められていきました。
どのようにして、不法投棄が進められていったかというと、主な原因は2つが考えられています。
1つめは、先進国からの投棄です。
大量の家電や電気機器が自国で処分しきれずに、ガーナに持ち込まれたというパターンです。
ゴミの投棄というと世論の風当たりが厳しいため、名目上は、ガーナへの電気機器類の輸出として、輸出船のコンテナのうちいくつかは電子機器ごみで埋め尽くして、持ち込まれたと言われています。輸出として処理しているため、記録を調べても正確なごみの投棄量は把握できていません。
2つめは、ガーナやアフリカ諸国からの投棄です。
欧米諸国や日本・中国といったアジアなどからアフリカに入ってくる電気機器が中古品が多く、寿命が短かったり、すでに故障して修理不可能だったりして、アフリカ各地から持ち込まれたという報告もあります。
いずれにせよ、欧米の白人至上主義で自国の問題を発展途上国に押しつけたり、アフリカ諸国は工業の基盤が弱いため、先進国の製品の中古品に依存せざるを得ない南北問題など、様々な複雑な問題が背景にあります。
この地区において、2010年代から欧米の報道で取り上げられるようになり、また、なんとかしたいという思いから、世界中から活動家が集まっています。
日本人も活動しており、長坂真護さんという方が、ごみでアートを作って美術館を開館したり(現地の人に破壊されてしまったようです)、電子機器ごみから有毒ガスが発生しているためガスマスクを配布したり、貧民街に学校を作ったりしています。
たった10年ぐらいで、とりかえしがつかないようになってしまった不法投棄場。
今すべきなのは先進国のせいとか、責任追及ではなく、ガーナやアフリカ諸国の持続可能な発展のために、自分たちに出来ることが何なのかを考えていきたいですね。
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