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音が速くなるのは温度のせい? 音速の不思議
加藤学習塾ブログ
2025/12/18

音は空気を振動させて伝わる波ですが、このスピードは温度によって大きく変わります。一般的に、気温が1℃上がるごとに音速は約0.6m/s速くなります。20℃の空気中での音速は約343m/sですが、0℃では331m/sまで低下します。
これは、温度が上がると空気中の分子が活発に動き、音の振動をより早く伝えられるため。逆に冷たい空気では分子の動きが鈍く、音が遅くなります。冬の朝に遠くの電車の音が妙に大きく聞こえるのは、温度差で音の屈折が起こり、音が地面に向かって曲がるためです。
音速の変化は航空機にも影響します。戦闘機が“音速突破”する瞬間に生じる衝撃波(ソニックブーム)は、温度、湿度、気圧などの気象条件によって大きく変わります。音速が遅い環境では衝撃波が生じやすく、高速飛行時の騒音問題にも関わってくるため、航空工学の分野では重要な要素です。
日常生活でも音速の変化は体験できます。たとえば花火大会で「光が先に見えて、音が遅れて届く」のは、光速と音速の差に加え、夏と冬の湿度や気温の違いが微妙に影響しているのです。音は見えませんが、科学的な視点を持つと、季節によって“空気の状態を音で感じる”ことができるようになります。
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