冬の朝の集中力アップ習慣をつくる――家庭でできる学習リズムづくりのコツ
加藤学習塾ブログ
2025/12/01

冬になると「朝、どうしても起きられない」「子どもの支度が進まない」「勉強の集中力が続かない」といった声が一気に増えます。これは単なる気合不足ではなく、冬特有の“生理的な理由”が深く関係しています。冬の朝は寒さによって血管が収縮し、体温が低い状態からスタートするため、脳への血流が不足しやすくなります。その結果、頭がぼんやりして行動が遅くなり、集中力も入りにくいのです。
この冬特有の現象を踏まえると、家庭でできる教育として重要なのは「脳を温める習慣をつくること」。難しいことではなく、ちょっとした工夫で子どもの1日のパフォーマンスは大きく変わります。
まず取り入れたいのが「白湯習慣」。起きてすぐ熱すぎない白湯を一杯飲むと、胃腸がぽっと温まり、そこから血流が全身に広がります。身体の“内側から温める”ことが、冬の朝の立ち上がりには非常に効果的です。大人でも白湯を飲むだけで目が覚めやすくなるため、親子で一緒に取り組むと習慣化しやすくなります。
次におすすめしたいのが「朝の軽ストレッチ」。特に肩・首・背中をゆっくり動かすだけで、筋肉が温まり脳への血流が増えます。ストレッチは時間がなくても1分でOK。子どもにとっては体を動かす感覚そのものが刺激になり、勉強への“切り替えスイッチ”になります。
そして冬に欠かせないのが「朝日を浴びること」です。冬は日の出が遅いため、朝に太陽光を浴びる時間が自然と短くなり、体内時計が乱れやすくなります。朝の光は脳に「起きる時間だよ」と教えてくれる信号です。カーテンを少し開ける、窓際で数分だけ過ごすなど、ほんの少し光を取り込むだけで体が目覚めやすくなります。
これら3つの習慣――
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白湯
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軽ストレッチ
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朝日を浴びる
は、合わせて行うことでより効果が高まります。
さらに教育的な視点からおすすめしたいのが、“朝のルーティンを見える化する表”の作成です。①起床②白湯③ストレッチ④身支度⑤勉強……といった順番をチェック式にしておくと、子どもは“自分で行動を管理する力”を身につけられます。これは学習習慣づくりの基礎にもなり、冬以外の季節にも活きる力です。
また、冬は「やる気が出にくい季節」だということを大人が知っておくことも大切です。子どもが朝にぼんやりしていても、それは自然な状態であり、責める必要はありません。むしろ身体の特性に合わせた環境づくりをしてあげることが、冬の教育では重要なのです。
最後に、もうひとつ意識したいのが“寝る前の工夫”。冬は寝付きが悪くなる子が増えますが、その大きな理由は「寒さによる寝付きの悪さ」と「夕方以降のブルーライト」。暖かい湯船にしっかり浸かる、寝室を適度に暖める、寝る前のスマホ時間を短くするだけで、翌朝の目覚めが改善します。冬の朝の調子は、実は前夜の過ごし方で決まることが多いのです。
冬は1年の中でも最も“朝の調子”が左右されやすい季節。しかし裏を返せば、“習慣づくりの教育”に最適な季節でもあります。ちょっとした環境づくりで、子どもの集中力も行動力もぐっと高まります。ぜひ冬ならではの暮らしの知恵を、家庭の学びの力に変えてみてください。
