世界の統計問題にチャレンジ~地域統合の利点~|岡山の進学塾|加藤学習塾・個別指導塾

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世界の統計問題にチャレンジ~地域統合の利点~

加藤学習塾ブログ

2024/10/18

みなさん、こんにちは。

第2次世界大戦後、各地域で地域統合の動きが進められてきました。
中学地理で出てくるのは、EU(ヨーロッパ連合)やASEAN(東南アジア諸国連合)、USMCA(アメリカ・メキシコ・カナダ協定←NAFTA〈北米自由貿易協定〉から2020年に発展)、AU(アフリカ連合)などですね。
その他にも、南米ではMERCOSUR(南米南部共同市場)といったものがあります。
なぜ、地域統合を進めてきたのでしょう?
さて、以下の問題にチャレンジ!!


問い:以下の数値は、ASEAN・EU・MERCOSUR・USMCAのうちどれかの人口・GDP・貿易輸出入額合計である。それぞれどの組織でしょうか?
※GDPとは国内総生産のことであり、国の経済状況を示す指標の一つ

ア:人口約2億5000万人・GDP約2兆9000億ドル・貿易輸出入額合計約7300億ドル
イ:人口約4億5000万人・GDP約17兆1000億ドル・貿易輸出入額合計約8兆5000億ドル
ウ:人口約5億1000万人・GDP約30兆5000億ドル・貿易輸出入額合計約6兆7000億ドル
エ:人口約7億2700万人・GDP約4兆500億ドル・貿易輸出入額合計約5兆8500億ドル







正解:「ア:MERCOSUR、イ:EU、ウ:USMCA、エ:ASEAN」
アとエが明らかにGDPが低いので、経済発展がまだまだ途中段階の東南アジアのASEANか南米のMERCOSURだとわかりますね。
そのうち、人口約2億8000万人を有するインドネシアを含むASEANの方が人口が多いと判断できるので、アがMERCOSURで、エがASEANとなります。中継貿易や先端技術産業のあるシンガポールや、自動車産業のタイ、また、近年、機械業や繊維業といった加工業で発展しているベトナム・マレーシア・インドネシアがあるのでASEANは近年貿易額が増えています。
貿易額の大きいイとウがEUかUSMCAと判断できて、世界一の経済大国であるアメリカがGDPがかなりの額なので、ウの方がアメリカを有するUSMCAで、残ったイがEUと判断できます。

こうしてみると、地域統合の利点はいくつかあります。
①市場を確保できる
一つの国では人口はそこまでなくても、地域統合することで、何億人という市場を確保できます。しかも、アメリカの人口にも匹敵するぐらいになります。

②経済的に競争できる
アメリカのGDPが約28兆ドルであり、一つの国では、とても太刀打ちできないので、地域統合することで、経済規模でも国際競争力が増す

③貿易が活発になる
地域統合する際の条項として、自由貿易が設けられていることがほとんどです。自由貿易とは域内貿易であれば、関税をなくすというものです。関税をなくすことで、企業は、付近の国から安く仕入れることができて、支出をおさえることができ、より安く製品を提供できる。そうすることで、消費者の需要を上げることができて外国とのライバル製品に打ち勝つような国際競争力をつけることができます。
また、自動車産業や航空機産業などでみられることだが、自国の強い分野の部品を生産して、それをどこか一つの国の加工工場に集めて、製品を作るという国際分業もできるようになる。

④政治的安定
どこか一つの国が、自然災害や経済不安などの社会不安になったときに、地域内で協力して課題に取り組んだり、経済的援助を得やすいです。また、紛争にもなりにくいです。

⑤人の移動が活発になる
EUなどでは、域内移動の自由を認めていることもあり、より経済的に安定した国に移住して高収入を得たり、そこで得た知識やスキルを自国に持ち帰り自国の経済発展につなげることが可能

⑥技術革新が起きやすい
企業が他国に移動しやすくなったり、各国で強い分野を協力し合ったりすることで、技術革新が起きやすい。


政治的にも、経済的にも、社会的にも、意義があることなんですね。

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