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日本の船なのに外国船!?
加藤学習塾ブログ
2023/08/30
みなさん、こんにちは。
日本の海運会社が保有する船なのに、その船の所在地は外国が多いというのをご存じでしょうか?
船の所在地を表す戸籍みたいなものを「船籍」といいます。
日本の船でいうと、船籍がどこにあるかというと、約6割が中米のパナマに船籍を置き、日本籍は約1割ほどしかありません。
なぜ、外国籍が多いのでしょうか?
それは、船籍がどこにあるのかによって、その船籍のある国の法律に従って、船を運用するからです。
言い換えれば、商用船は特に、外国から入国したり、あるいは船を港に置く際に、国際法の制約を受けるのです。
なので、船を運用する際には、国際法の制約が少ないところや、船を港に置いたり外国人労働者を雇う際にコストが低く国の法律の制約が少ない国に船籍を置くのが、戦後の国際的な海運業の流れです。
このような船を「便宜置籍船」といいます。
世界の船の船籍がどこにあるのかというと、約2割が中米のパナマ、約1割が西アフリカのリベリア、約1割弱がオセアニアの島国のマーシャル諸島、その次が香港という順になっています。
パナマもリベリアもマーシャル諸島も決して経済的に豊かな国ではないですが、船に関する法律の制約が少なかったり,税金が低いので、便宜置籍船が多くあります。
日本もかつては、パナマを中心に便宜置籍船ばかり所有していました。
しかし、近年は日本籍の船も増やして、日本の船の全体の約1割が日本籍の船です。
その理由は、非常時の物資輸送に活用したり、石油タンカーなど海賊に襲われたときに日本の法律で犯人を裁けたり、日本の法律に基づいて日本人乗組員の労働環境の改善を行うことが出来るというメリットがあります。
高校地理では、便宜置籍船が出てくるのでおさえておきましょう。
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