ブログ
クマムシって?~大学入試共通テスト英語リーディングで出題された生物~
加藤学習塾ブログ
2023/01/17
みなさん、こんにちは。
大学入試共通テストも終わり、高校3年生や浪人生は自己採点を基に、自分の2次試験の出願先を検討している最中ですね。
終わってしまった結果は仕方が無いことですので、自分の学びたいこと・将来やりたいことを真剣に検討して、出願先を決めて、無事、桜の満開な春を迎えて欲しいなと思います。
さて、今年も共通テストで、いくつか話題が出ていますね。
その中でも、今日は、英語リーディングの大問6の長文で出てきた「クマムシ」という生物について紹介します。
クマムシは、英語で"waterbear"という名前がついており、見た目がクマに似ているので、その名が付いています。
大きさは約1mm前後の肉眼でやっと確認できるかどうかの微小生物です。
水中の微生物や有機物、コケ類などを吸入して生きています。
この生物は普段は、水中や湿ったコケ類に潜んで生息しているが、この生物のすごいことは、生育が不可能な極限状態の環境(水分が全くない乾燥状態や空気がない真空、極寒、放射性物質にあふれているなど)にさらされると、「クリプトビオシス」という状態に変化します。
まだ詳細は解明されていない部分もありますが、クマムシは生命活動に危機を感じると、体中の水分をトレハロースという別の物質に変えて、細胞組織を縮小して、体の代謝を止めて、体の構造を保ったまま生命活動を止める「休眠状態」になります。これが「クリプトビオシス」です。
そして、水分が与えられて、生命活動をしても大丈夫な環境になったら、元の体に戻ります。
このクリプトビオシスですが、どこまでの環境に耐えられるのでしょうか?
温度は約150度から絶対零度に近いマイナス272度まで。乾燥は湿度0%まで。高度は約6000mから海面下深さ約4600mまで。空気がない真空、つまり、宇宙空間でも耐えられます。圧力は地球上の約7万倍以上の7万5千気圧まで。X線などの放射性物質に当ててもOK。
クマムシの寿命は約数ヶ月から1年ほどと言われていますが、このクリプトビオシスの状態ですと、100年以上生命活動を止めていても、水をかければ復活するようです。
大きさは小さいですが、生命の強さで言うと、地球上最強の生物かも知れませんね。
ちなみに、このクマムシですが、簡単に採取できます。
街路樹などの木の幹に付いている湿ったコケ類に潜んでいることが多いです。(なんでかというと、卵が小さいので、風で飛ばされて付着するそうです)
大きさも約1mmですので、ご家庭のザルとかでコケ類をこしていけば、クマムシを採取できます。
ただし、観察するには、虫眼鏡やルーペ、双眼実体顕微鏡があった方がいいかもしれませんね。
また、クリプトビオシスにするのであれば、自然乾燥です。ドライヤーとかで急激な乾燥にさらされると、死にます。
RECOMMEND
あなたへのおすすめ
RECOMMEND
閲覧数ランキング