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中学社会の知識で大学入試共通テスト地理の問題を見てみよう②~植生と光合成の量~
加藤学習塾ブログ
2025/01/28
みなさん、こんにちは。
中3・高3は受験シーズンで必死に学習していることと思います。
さて、今年度の大学入試共通テスト「地理総合・地理探求」の問題で、中学社会の知識でもなんとか正答にたどりつけるであろう、興味深い問題が出題されていたので紹介します。
★チャレンジ!!★
問い:植生の分布(どの地域にどういった植物が分布しているか)は気候や地形など様々な要因により影響を受ける。
次の線グラフの①~④は2枚目の地図中の線A~Dのいずれかに沿った正規化植生指数(植物による光合成の活発度)を示したものである。
線Aに該当するものを、①~④のうちから一つ選べ。

※グラフの黒四角■と白四角□は、地図の黒四角■と白四角□の位置と一致する

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【解答】
線A→③
アフリカは赤道付近は熱帯雨林気候・サバナ気候、北緯15度~25度付近はサハラ砂漠を有する砂漠気候のため、線Aの黒四角■付近では、サバナといわれる草原や高木が植生しているサバナ気候であり、さらに、冬の乾季では、日射量が多いことから光合成の量が活発であろうと推測される。逆に、白四角□付近は、サハラ砂漠のため、ほぼ植生がなく、光合成の量は厳しいと推測される。
よって、グラフの③が解答である。
線B→グラフ②
黒四角■付近のインド東部はモンスーンの影響を受けるサバナ気候やCw気候(温暖冬季少雨気候)が分布して、夏は温暖湿潤、冬の乾季は晴れの日が多く日射量が多く、ある程度の光合成の量が見込める。白四角□付近はヒマラヤ山脈やその峠を越えた内陸砂漠が分布して、非常に乾燥している。植生は厳しいため、光合成の量は少ないと推測される。
よって、線Bを表すグラフは②。
線C→グラフ④
オーストラリアの気候分布は中学生も必須です。
北部海岸部は熱帯、東部~南部の海岸部が温帯(地中海性気候も含む)、その他のほとんどが砂漠気候・ステップ気候であることはおさえておきましょう。
よって、黒四角■付近は内陸部のため砂漠気候であり、植生と光合成の量は厳しい。白四角□付近は東部の海岸部で温帯であり、植生が豊かであり、光合成の量は活発であると推測される。
よって、線Cのグラフは④。
線D→グラフ①
黒四角■付近の南米西海岸の沿岸をペルー海流(別名:フンボルト海流)という寒流が流れており、空気が冷やされることで蒸発量がおさえられて、西海岸は降水量が少ないです。よって、砂漠気候が分布しており、光合成の量は厳しいと推測される。
白四角□付近はサバナ気候が分布しており、草原と木が分布しています。また、畑・牧草地の開発が進んでいる地域もあり、それで、光合成の量は活発であると推測される。
よって、線Dはグラフの①。
このように、気候分布をおさえられたら、正答にたどりつけるであろう問題です。
また、光合成の量が活発であるかどうかは、地球の自然環境保護にもつながる指標といえます。
一般的に、この正規化植生指数が低い・もしくは下がっている地域は植生の破壊が進んでいるといえます。
また、グラフの①をみても明らかなように、南米のジャングル・サバナがいかに光合成が活発かがみてとれますね。
まさに、二酸化炭素を吸収して空気の入れ換えをして地球の空気を支えているといえます。
みなさんも、10年後・20年後の地球の将来を考えていきたいですね。
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