雨の匂いペトリコールの正体|岡山の進学塾|加藤学習塾・個別指導塾

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雨の匂いペトリコールの正体

加藤学習塾ブログ

2025/12/08

雨が降り始めたときに漂う、あの独特の落ち着く香り。多くの人が経験しながらも、正体を知らずにいるこの香りは、「ペトリコール」と呼ばれています。語源はギリシャ語で「石(petra)」「神々の血(ichor)」を組み合わせたもの。まるで大地の生命が香りとして立ち上るような、詩的な名前です。

この香りは、土の中に住む放線菌が作り出す「ジオスミン」という物質によって生まれます。放線菌は乾燥した土地で休眠状態になり、雨が降った瞬間に一気に活動を再開し、ジオスミンを空気中に放出します。このとき、小さな土の粒が雨粒によって弾け、香りを周囲に広げるのです。

特に長い乾燥が続いた後の雨は、より強く香る傾向があります。これは放線菌が蓄えていたジオスミンが一気に解き放たれるため。世界中でこの香りに心安らぐ人が多いのは、進化的に「雨=生存に必要な水」と認識してきた名残ではないかとも言われています。

面白いことに、このジオスミンは魚の“泥臭さ”の原因にもなります。特にコイやナマズなど、底を泳ぐ魚が匂いを吸収しやすいのです。しかし加熱すると匂いはほとんど消えるため、調理では問題になりにくいという側面もあります。

ペトリコールは人類にとって馴染み深く、文化にも影響を与えています。詩や音楽、写真作品などで「雨の匂い」がロマンチックに描かれるのは、単に嗅覚だけでなく、自然と人間の記憶が結びついた感性の現れなのです。

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