お茶の色が季節で違う? ― 日本人と緑茶の深い関係
加藤学習塾ブログ
2025/10/20
朝晩が冷え込む季節になると、温かいお茶が恋しくなりますね。
でも実は、お茶の種類によって香りも味わいもまったく違うことをご存じでしょうか。
緑茶、ほうじ茶、玄米茶――これらはすべて、同じ「茶の葉」から作られているのです。
違いを生み出すのは、“蒸し”と“焙じ(ほうじ)”の工程。
緑茶は摘んだ茶葉を蒸して発酵を止め、茶葉の鮮やかな緑を残したもの。
対してほうじ茶は、緑茶をさらに炒ることで香ばしさを引き出しています。
秋から冬にかけてほうじ茶の人気が高まるのは、この“焙煎の香り”が寒い季節にぴったりだからなんですね。
また、お茶の色も季節と関係しています。
春に摘まれる新茶は明るい黄緑色で、爽やかな香りが特徴。
秋口になると「秋摘み茶」は少し黄色味を帯び、味に深みが増します。
人々が自然と“季節の色”に合ったお茶を選んできたのは、まさに日本人の感性の表れでしょう。
さらに近年では、緑茶に含まれる「カテキン」や「テアニン」が注目されています。
カテキンは免疫力を高め、風邪予防に役立つとされ、テアニンはリラックス効果をもたらします。
冷えやストレスが溜まりやすいこの季節には、ぴったりの一杯ですね。
お茶はただの飲み物ではなく、日本人の生活リズムと共にある文化。
急須から立ちのぼる湯気の向こうに、長い歴史と知恵が息づいているのです。