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ウクライナは地理的に重要~世界有数の穀倉地帯~
加藤学習塾ブログ
2022/05/15
みなさん、こんにちは。
今日はウクライナの農業の話をします。
現在、ロシアとの戦争で毎日のように、悲痛なニュースを目にしますね。
実は、この戦争で世界の食糧に与える負の影響はかなり大きいです。
世界中で食糧危機が叫ばれています。
実際に、日本でも食料品の値上げが著しく進んでいますね。
ウクライナは実は世界有数の穀倉大国でした。
2020年の統計ですと、小麦生産量が世界8位、小麦輸出量が世界5位、トウモロコシ生産量が世界5位、トウモロコシ輸出量が世界4位と、世界の穀物を支えていました。
なぜ、こんなに農業大国なのでしょう?
秘密は「土」にあります。
約1万年前の氷河期のころに、ヨーロッパの土が氷河によって削られ、粒のあらい水はけのよい栄養分たっぷりの「レス」という土が出来ます。それがヨーロッパに吹く偏西風の作用によって東ヨーロッパまで運ばれて厚い土壌を形成します。
氷河期が終わると、その「レス」の土に植物が生えるのですが、東ヨーロッパは冷涼で比較的乾燥したステップ気候です。
そのため、生えてくるのは、ステップ草原と呼ばれる短草ばかりですが、その草が枯れて分解されるときに、冷涼乾燥しているためゆっくりと分解が進みかつ、雨で土壌が流出することもないです。そのため、草がしっかりと分解された栄養たっぷりの肥沃な黒い土「チェルノーゼム」が形成されます。
ウクライナは「レス」の層が厚いのとこの黒土「チェルノーゼム」が国土全体に広がっているため、世界有数の穀倉地帯になっています。
戦争で、農業の機能の停止や働き手の喪失も心配されますが、なんといっても世界有数の土壌の荒廃が一番懸念されます。チェルノーゼムは約1万年という長い年月をかけて形成されました。土壌が荒廃して農業がダメになると、いくら時間をかけてもその国の農業はなかなか元に戻りません。
一刻も早く平和が訪れてほしいと切に願います。
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