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パーム油とは

加藤学習塾ブログ

2022/11/19

みなさん、こんにちは。

今日はパーム油について紹介します。
パーム油とはアブラヤシから生産される植物性油脂です。
後で紹介しますが、パーム油は多様な用途から注目されている油であり、1970年代から生産量が増えています。
アブラヤシの栽培条件が赤道直下の熱帯地方でしか栽培できないため、インドネシア・マレーシアだけで全世界の約8割の生産量を占めています。
先進国への輸出用作物として、インドネシア・マレーシアではプランテーションが拡大しています。
パーム油は実は、生産量を拡大させて、バイオエタノールなどで用いられている大豆油などを抜いて、世界で一番生産量の多い植物性油脂になっています。
パーム油はパルミチン酸という飽和脂肪酸と、オレイン酸という不飽和脂肪酸がそれぞれ約4割ずつ含まれています。
そのため、オレイン酸を分離させて割合を減らせば、固形樹脂が生産できて、パルミチン酸を分離させて割合を減らせば、液体樹脂が生産できます。
よって、様々な用途があり、固形樹脂は、バター・マーガリン・チョコレート・クリーム・アイス・カレールーなど様々な食品・洗剤や石けん・口紅・歯磨き粉などに使われて、液体樹脂は食用油やインスタント食品の揚げ油・スナック菓子の揚げ油、飲食店の業務用揚げ油などに用いられます。
近年は、バイオマス発電の燃料に活用できないかという試みもすすめられています。
バイオマスとは、「石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料を含まない、生き物を用いた再生可能なエネルギー」を指します。
アブラヤシは、赤道直下の熱帯地域で栽培されて年間を通して実をつけることが出来るので、単位面積当たりのパーム油生産量が膨大です。また、パーム油は燃やした後にくずが残らないので、ゴミ処理がかかりません。そのため、近年、バイオマス発電として注目されています。
しかし、問題点もあります。
先進国からの需要がありすぎるため、インドネシア・マレーシアを中心とした国々は、プランテーション農園を大規模に開発しないといけません。
つまり、それは、熱帯雨林を切り開いて、農園を作るということです。
熱帯雨林を失うことは、①多層な植物相の喪失②開発の際に森林火災が発生⇒周辺まで被害が及ぶこととCO2増加につながっている③生物の生活圏がなくなる④絶滅につながり遺伝子情報がなくなる⑤森を追われた動物が人間の集落や畑に入り込み害獣化するなど、様々な問題が発生します。
インドネシア・マレーシア・ブルネイが領有するボルネオ島では、熱帯雨林の約5割がアブラヤシのプランテーション農園の開発で喪失したと言われています。

様々な用途に使われているパーム油ですが、環境問題とも付き合わないといけませんね。

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