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★最低賃金はこのように決まる★労働力の需要曲線と供給曲線とは!?
加藤学習塾ブログ
2025/01/07
みなさん、こんにちは。
今日は労働力の需要曲線と供給曲線について見てみましょう。
中3公民の経済分野で、商品価格の需要曲線と供給曲線を学びます。
それに類似したものとして、「労働力の需要曲線と供給曲線」というものもあります。
それが以下の図です。
この図は縦軸が「企業が定める賃金」で、横軸が「企業が雇う労働力」として考えます。
赤い曲線が「労働力の需要曲線」であり、「企業が雇いたいと思う人数」です。企業にとってどうなるのかをみてみると分かりやすいです。賃金を高めに設定すると、人件費が高くなるので、雇用を少なく抑えます。逆に、賃金を低く設定すると、人件費を抑えられるので、雇用を多くすることが可能となります。
そして、青い曲線が「労働力の供給曲線」であり、「労働者がその企業で働きたいと思う人数」です。賃金を低く設定すると、対価が少ないので雇用希望者が少なくなります。つまり、労働者の労働意欲を上げづらい状態です。逆に、賃金を高く設定すると、対価が多いので雇用希望者が多くなります。つまり、労働者の労働意欲を上げやすい状態です。
この青い曲線と赤い曲線が交わる点Eのところが、「均衡賃金」といわれるところであり、企業の最低賃金をその点Eのところで設定します。
次に、「均衡賃金」ではないところを2パターン見てみましょう。
1。賃金を点(W1)で設定している場合
賃金を極端に低く設定しているので、人件費は抑えられますが、雇用希望者は少なくなります。
つまり、「企業が雇いたいと思う人数」が極端に多く、「労働者がその企業で働きたいと思う人数」が極端に少ない状態です。
その結果、企業にとって、人手が足りなくなり、賃金を上げて対処するのが望ましいです。
シンプルな業務が多い産業や、流れ作業が多い産業、全国展開しているチェーン店などが、このタイプになりやすいです。
2。賃金を点(W2)で設定している場合
賃金を極端に高く設定しているので、人件費はかかってしまいますが、雇用希望者は多くなります。
つまり、「企業が雇いたいと思う人数」が極端に少なく、「労働者がその企業で働きたいと思う人数」が極端に多い状態です。
その結果、企業にとって、人件費がかかってしまいますので、過剰労働を失業させるか、企業自体を人件費の安いところに移転させるか、商品価格を上げて対処するのが望ましいです。
その結果生じる問題が、「失業・倒産問題」、「企業の地方進出・海外移転による、産業の空洞化」、「インフレ(物価の上昇)」です。
この状態は、専門的なスキルを要する業種や、日常生活で需要があるが対価が得られにくいサービス業などが、このタイプになりやすいです。
さて、よく、「最低賃金を上げろ」や「最低賃金を都市部と同じレベルにしろ」という声があります。
しかし、この図のとおり、最低賃金は「労働力の需要曲線と供給曲線」の関係で決まっています。
よって、地方で最低賃金を上げると、図の点(W2)の状態になり、企業の人件費がかかりすぎになり、倒産したり、過剰労働を失業させたり、あるいは、地方の企業が消費市場の大きい都市部へ移転したり、地方の労働者が地方の企業で雇ってもらえなくなり都市部の企業へ就職して地方の過疎化がますます進行することになります。
よって、「労働力の需要曲線と供給曲線」がバランスよくとれているのが望ましいですね。
みなさんも、大人になったら、仕事のスキルと賃金のことを少しは考えたいですね。
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