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植物の実験考察~光合成と呼吸は同時に行っていることを確かめよう~
加藤学習塾ブログ
2023/05/22
みなさん、こんにちは。
今日は植物の実験考察です。
植物は、光が当たると光合成を行って二酸化炭素を吸収して酸素を排出して、夜間は呼吸を行い酸素を吸収して二酸化炭素を出すと習いましたね。しかし、実際は、昼間でも呼吸を行っています。それを実験で確かめましょう。
実験:①暗室に同じ植物を4つ、一晩おく(光合成を行う前の状態にする)
②4つのポリエチレンのビニール袋に、吐いた息をいっぱい入れる(二酸化炭素濃度を0.4%にして高くする)
③4つの植物にその吐いた息で一杯のポリエチレンのビニール袋をかぶせて空気がもれないように密閉する
④光合成や呼吸が盛んに行えるように、気温は28℃で統一して、1つめの植物は10000ルクスという明るさの光をあてて、2つめの植物は6000ルクスという明るさの光をあてて、3つめの植物は2000ルクスという暗めの明るさの光をあてて、3つめの植物は0ルクスの明るさの暗室に入れる
⑤1時間ごとに二酸化炭素濃度を測定する
実験結果:10000ルクスという明るさでは、時間が経過するごとに二酸化炭素濃度がどんどん減少する。6000ルクスという明るさでは、時間が経過するごとに二酸化炭素濃度が減少したが、その減少率は10000ルクスのときと比べて低い。2000ルクスという暗いところでは、時間が経過しても、さほど二酸化炭素濃度は変化せず、約0.4%のままだった。0ルクスの明るさでは、時間が経過するごとに二酸化炭素濃度が高まった。
このことから、0ルクスの明るさでは、光合成が出来ないために、呼吸によって酸素が吸収されて二酸化炭素が排出されるので、二酸化炭素濃度が高まる。一方で、光をあてていきさらに光の強度を強めると、光合成の量が増えていき二酸化炭素の吸収量が多くなっていく。ここで注意しないといけないのは、呼吸量が変わらないことです。つまり、光をあてていくと呼吸から光合成に切り替わるのではなく、光合成による二酸化炭素の吸収量が増えるということです。
式にすると以下の通りです。
(二酸化炭素減少量)=(光合成による二酸化炭素の吸収量)ー(呼吸による二酸化炭素の排出量)
呼吸による二酸化炭素の排出量は、植物や部位によって固定値であり、光合成による二酸化炭素の吸収量が光の強度によって増えていくから、昼間は見かけ上、呼吸よりも光合成を行っているという理論です。
だから、実験結果において、2000ルクスという明るさのとき、二酸化炭素濃度があまり変化しなかったのは、呼吸による二酸化炭素の排出量と光合成による二酸化炭素の吸収量がほぼ同量だったからだと考察できます。よって、昼間でも光合成と呼吸を同時に行っているのですね。
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