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エルニーニョ現象・ラニーニャ現象とは?
加藤学習塾ブログ
2023/01/19
みなさん、こんにちは。
世界の気象用語にエルニーニョ現象・ラニーニャ現象というのがあります。
今年の大学入試共通テストの地理で用語の説明を問うものではありませんが、用語が問題に登場しました。
通常の太平洋は、西側に黒潮という大きな暖流が流れて、南米西海岸近くの太平洋東側ではフンボルト海流という寒流が流れており、また、赤道付近では、貿易風という東風が年中吹いているので、太平洋の西側は暖かい海域であり、太平洋の東側は冷たい海域になっています。
まず、エルニーニョ現象からです。
エルニーニョ現象とは、貿易風の東風が通年よりも弱まることで、太平洋の西側にある暖かい海域が東側まで広がり、太平洋全体の水温が上がることです。
こうなると、まず、いつもよりも水温が高い海域が東の方まで伸びているので、積乱雲が太平洋全体で発生しやすく、ポリネシア地域などの太平洋のサンゴ礁の島が異常気象で壊滅的被害を受けやすくなります。また、東南アジアや東アジアでは、積乱雲が発生するエリアが東に寄ったことにより、記録的な少雨に襲われたりして、特に米を主食にしている国がほとんどなので、食糧難に陥ります。一方で、南米西側では、水温が上がることで、寒流や深層海流の勢いが弱まり、海底を流れる寒流や深層海流が海溝などにぶつかって派生する上昇海流の勢いが弱まり、プランクトンや小魚類が海面まで上がらなくなります。すると、それをえさとする大きな魚類が集まらなくなり、南米西側諸国の漁業が大きく漁獲高を落とします。
一方、ラニーニャ現象についてです。
ラニーニャ現象とは、貿易風の東風が通年よりも強まることで、太平洋の西側にある暖かい海域がさらに西側に偏り、太平洋の東側にある冷たい海域が範囲を広げて、太平洋全体の水温が下がる現象です。
こうなると、まず、東南アジアや東アジアでは、いつもよりも水温が高い海域が西に偏っているので、積乱雲がさらに頻度を増して発生し、勢力の強い台風やゲリラ豪雨などの異常気象がより発生しやすくなります。一方、南米西側では、寒流の勢いが増しており、さらに乾燥が強まる恐れがあります。
まだ、詳細が明かされていない部分もありますが、このエルニーニョ現象・ラニーニャ現象は数年おきにサイクルしながら訪れます。
自然の驚異はすさまじいですね。
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