タコの話~伝統とSDGs!?~②|岡山の進学塾|加藤学習塾・個別指導塾

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タコの話~伝統とSDGs!?~②

加藤学習塾ブログ

2022/05/27

みなさん、こんにちは。

今日も前回の投稿に引き続きタコの話です。
日本でのタコは漁獲量の減少とともに輸入量が増加しました。
日本が輸入先として目を付けたのが、北西アフリカのモーリタニア・モロッコです。
北西アフリカに目を付けた理由が以下の通りです。

1.タコを食べる文化がない
2.国土のほとんどがサハラ砂漠であり、プランテーション農業も難しく、自国を支える産業の基盤がない
3.西部に広がる大西洋沿岸は、大陸棚が広がり、メキシコ湾流や北大西洋海流から分岐したカナリア海流が流れて、プランクトンが豊富であり、好漁場である

そのため、漁業支援のためJICA(日本国際協力機構)の指導員が1970年代にモーリタニアに派遣されて、タコ壺漁を指導しました。
すると、モーリタニアのタコ漁は年々増加して、現在では主要な輸出品目になっています。
しかし、2000年代から、欧米での日本食のブームや、スペインの観光客の増加によるスペイン料理(パエリアなど)での消費の増加を受けて、モーリタニア・モロッコ産のタコはヨーロッパ向けに輸出されるようになり、日本向けの輸出が減りました。また、漁獲量に応じて高収入になるためタコの乱獲や密漁が頻発し、タコの生息数が減少しました。
そうした状況を受けて、日本は新たなタコの輸入先として目を付けたのが西アフリカのセネガルです。
2010年代にJICAから指導員を派遣して、タコ壺漁を指導するとともに、モーリタニア・モロッコの二の舞を踏まないように、産卵期での禁漁期間を設けるなど、次世代のタコも育てる重要性を指導しました。
セネガル人は、日本のタコ壺漁にすぐに柔軟に対応することが出来ました。なぜかというと、セネガルはサハラ砂漠が国土を覆っているという土地柄もあり普段から土器を使っているのですが、その土器がタコ壺にぴったりだったからです。
日本の伝統と、セネガルの伝統が融合しています。
セネガルのタコ壺漁は、もちろん漁師も安定した収入が得られますが、土器職人もタコ壺作成のために安定した収入を得られます。
また、タコ壺の土器はセネガルの土で出来ているので、海にとって負担になりにくいです。
伝統がSDGsにつながっている事例だと思います。

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