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レモン電池はおもちゃじゃない? 科学原理と実用例
加藤学習塾ブログ
2025/12/12

学校の理科でよく登場する「レモン電池」。レモンに金属板を刺すだけで電流が流れるという面白い実験ですが、実はこの仕組みは大人が使う本格的な電池とまったく同じ原理で成り立っています。
レモン電池の基本は“化学反応による電子の移動”。レモンの酸(クエン酸)は電解質として働き、亜鉛板(マイナス極)と銅板(プラス極)の間で電子が移動します。この電子の流れが電流の正体で、レモン1個で約0.9Vの電圧が生まれます。
一見すると子ども向けの遊びのように見えますが、この原理は「電池の歴史そのもの」と深くつながっています。世界初の電池を作ったのはイタリアの物理学者ボルタですが、彼が作った“ボルタの電堆”は、金属と酸性液体によって電気を生み出す構造でした。つまりレモン電池は、電池の祖先と共通する実験なのです。
さらに、レモン電池には意外な“実用性”もあります。複数のレモンを直列につなげると電圧が上がり、LEDなら点灯させることも可能。また、非常時に金属と酸性飲料(スポーツ飲料、酢、炭酸水)があれば、一時的な電源を作ることもできるとされています。もちろんスマホを充電するほどの電力は無理ですが、仕組みそのものは完全に応用可能です。
近年では教育現場で「再生可能エネルギーの基礎」「科学と暮らしのつながり」を学ぶ題材として注目されており、単なる自由研究の枠を超えた価値が認められています。レモン電池は、自然界の化学エネルギーがどのように電力へ変換されるかをシンプルに教えてくれる、非常に奥深い実験なのです。
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