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ススキはなぜ“秋のシンボル”なのか? ― 月と稲穂の文化史
加藤学習塾ブログ
2025/10/28

秋になると、ススキの穂が風に揺れます。
お月見の飾りにも欠かせないこの植物、実は「稲」と深い関係があることをご存じでしょうか。
ススキは古来、「御神草(おみくさ)」として神事に用いられてきました。
その形が稲穂に似ていることから、豊作の象徴として飾られたのです。
お月見にススキを供えるのは、月の神に“収穫の感謝”を捧げる意味があるのですね。
また、ススキには魔除けの力があるとも言われ、玄関に飾る風習も残っています。
とくに十五夜の夜、ススキを束ねて軒先に立てると、悪霊を防ぐとされてきました。
風にそよぐ銀色の穂は、まるで月の光を映すよう。
その美しさに魅せられた人々が、俳句や和歌に詠み込んできたのも納得です。
ススキは、ただの植物ではなく、自然と人の祈りを結ぶ象徴。
秋の風に揺れる一穂を見つめるとき、そこには千年を超える日本人の感性が息づいているのです。
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