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「ゼロの発明が世界を変えた
加藤学習塾ブログ
2025/09/29
私たちが何気なく使っている「0(ゼロ)」。実は人類の歴史の中で最も画期的な発明の一つです。ゼロがなければ、現在の数学や科学、経済は成り立たなかったといわれます。
古代の数字にはゼロの概念が存在しませんでした。エジプトやギリシャでは「存在しないものを表す数字」という発想がなかったのです。しかしインドの数学者たちが紀元5世紀頃に「0」を記号として導入。桁の概念と組み合わせることで、10進法の体系が飛躍的に使いやすくなりました。
たとえば「10」という数字は「1」と「0」の組み合わせで表現できます。ゼロがなければ「十」を別の記号で示さなければならず、計算は非常に複雑になります。ゼロは「桁の位置に何もないことを示す」というシンプルな役割ですが、それがあったからこそ巨大な数も簡単に扱えるようになったのです。
さらにゼロの概念は「負の数」「小数」「虚数」などの数学的発展につながりました。もしゼロがなければ、代数学も解析学も生まれず、現代の科学技術は数百年遅れていたかもしれません。
興味深いのは、西洋では当初「ゼロは不吉」とされ、受け入れられにくかったことです。「無」を数字にすることが宗教的に不安視されたためです。しかしアラビアを経由してヨーロッパに伝わり、やがてルネサンス期に数学の基盤として定着しました。
ゼロは「何もない」を示すだけでなく、「無限の可能性」への扉でもありました。今私たちがスマートフォンを使い、コンピュータを動かせるのも、すべて0と1の組み合わせによるもの。ゼロの発明が現代社会を支えているのです。
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