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送り仮名の不思議

加藤学習塾ブログ

2025/09/27

国語の授業で必ず出てくる「送り仮名」。たとえば「食べる」「走る」「美しい」など、漢字のあとに続くひらがな部分です。実はこの送り仮名、単なる読みやすさのためではなく、日本語の歴史や文化と深い関係があります。

現在の送り仮名は「内閣告示」によってある程度のルールが定められています。しかし昔は必ずしも統一されていませんでした。たとえば「閉じる」という動詞は、「とじる」と読ませるために「閉る」と表記されることもあれば、「閉ぢる」と書かれることもありました。表記のゆれが多かったのです。

現代では「閉じる」と送り仮名をつけるのが一般的ですが、これは「活用形を示す」という役割を明確にするため。送り仮名があることで、「閉じた」「閉じない」「閉じよう」などの変化が理解しやすくなるのです。

また、同じ漢字でも送り仮名の位置で意味が変わる場合があります。「上げる」と「上る」、「開く」と「開ける」などがその代表例。前者は他動詞、後者は自動詞という違いが生じるため、文章の正確な意味を理解するには送り仮名が重要なヒントになるのです。

さらに、文学作品の中には意図的に送り仮名を変えて表現を工夫している例もあります。夏目漱石や芥川龍之介の小説では、現在のルールと異なる送り仮名を使うことで、文章のリズムや雰囲気を調整しているのです。

送り仮名はただの「おまけ」ではなく、日本語のニュアンスを支える重要な要素。テスト勉強のために覚えるだけでなく、「どうしてここに送り仮名があるのか?」という視点で見てみると、日本語の奥深さに触れることができます。

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