なぜ冬は「手がかじかむ」のか? ― 体温調節の仕組みと暮らしの不思議|岡山の進学塾|加藤学習塾・個別指導塾

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なぜ冬は「手がかじかむ」のか? ― 体温調節の仕組みと暮らしの不思議

加藤学習塾ブログ

2025/12/22

冬の外出時、手袋をしていても指先が動かしづらくなる「かじかみ」。スマホの操作が遅くなったり、ファスナーを閉めるのに苦戦したりと、生活の小さな場面で影響が出ます。しかしこの現象は、身体が“生命維持を最優先”で働いている証拠でもあります。

人間には恒温動物としての体温調節機能が備わっており、体温が低下しないよう、外気の冷たさに反応して血管を収縮させます。特に指先・耳・鼻などの末端部分は「生命維持の優先度」が低いと判断されるため、血流が後回しにされやすくなります。これは、心臓や脳などの重要な臓器を守るための合理的な仕組みです。しかしその結果、指先には十分な血液が行き渡らず、温度が低下して動きにくくなる——これが「かじかみ」の正体です。

さらに冬は湿度が低いため、皮膚の水分も奪われやすくなります。乾燥した指先は感覚が鈍くなり、細かな作業の精度が下がりやすい状態になります。実際、冬に落とし物が増えるのもこのメカニズムによるもの。手袋をしていても、指先の体温が十分に戻らなければ操作性は改善しません。

また、子どもは大人よりもかじかみやすい傾向があります。これは体の大きさに対して表面積が大きく、熱が奪われやすいからです。教育現場では、子どもたちが外遊びから戻ると手をこすり合わせたり息を吹きかけたりする姿が見られますが、これは立派な「体温調節の観察実験」。理科の授業で習う内容が、生活のあらゆる場面とつながっているのです。

対策としては、
・手首を温める(血管が集中しており効果が高い)
・ポケットで指を曲げ伸ばしして血流を促す
・保湿クリームで乾燥を防ぐ
・薄手の手袋を重ねて“空気の層”をつくる
などが挙げられます。

冬の「かじかみ」は、身体があなたを守ろうとする自然反応。身近な不便の裏に、こんな精巧な仕組みが働いているのです。

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