ペルセウス座流星群の雑学
加藤学習塾ブログ
2025/09/12
夏の終わりを彩る夜空のイベントといえば、毎年8月中旬にピークを迎える「ペルセウス座流星群」です。流星群の中でも特に観測しやすく、1時間に数十個もの流れ星が見られることもあるため、天文ファンだけでなく一般の人々にも親しまれています。
ペルセウス座流星群は、スイフト・タットル彗星が軌道上に残していった塵や小さなかけらが、地球の大気に突入することで生じます。そのスピードは時速21万キロメートル以上。私たちが夜空に見ている「流れ星」の多くは、米粒ほどの小さな粒子ですが、大気との摩擦で一瞬にして高温になり、眩しい光を放つのです。こうして一瞬の閃光として姿を現す現象は、考えればとても壮大な自然のドラマですね。
ところで「ペルセウス」という名前の由来は、ギリシャ神話の英雄ペルセウスにあります。彼は怪物メドゥーサを退治したことで知られる勇者で、夜空に輝く星座としても古くから親しまれてきました。流星群がこの星座の近くを放射点としているため、そう呼ばれているのです。星座と神話、そして現代の天文現象がつながっているのは、なんだかロマンを感じさせます。
また、日本でも昔から流れ星は特別な存在として語られてきました。よく知られるのは「流れ星に願い事を3回唱えると叶う」という言い伝えですが、実際には流れ星が見えている時間は1秒にも満たないことがほとんど。3回唱えるのは至難の業です。それでもこの習慣が広まった背景には、「一瞬の輝きを逃さず願いを託す」という人々の願望が込められていたのかもしれません。
流れ星の観測にはちょっとしたコツもあります。まず、双眼鏡や望遠鏡は必要ありません。肉眼で夜空全体を見渡すのが一番。できるだけ街の明かりが少ない場所を選び、視界が開けた方向に寝転がるようにすると観測しやすくなります。また、流星群は放射点から四方八方に流れるため、特定の方向を凝視する必要はありません。
さらに、夜空を観察すること自体が心に良い影響を与えるとも言われています。忙しい毎日の中で空を見上げる時間を持つことは、リラックスやストレス解消につながり、勉強や仕事の効率を高める効果も期待できます。特に受験勉強や夏休みの宿題に追われている学生にとって、夜空を眺める時間は良い気分転換になるでしょう。
今年も夏休みの終わりに、ペルセウス座流星群が私たちを夜空へと誘ってくれます。一瞬の光に願いを託す時間は、科学的な現象であると同時に、心を前向きにする魔法のような体験でもあるのです。