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七月と八月の間に吹く“季節の風”の話
加藤学習塾ブログ
2025/07/29
7月末から8月初めにかけて、ふとした瞬間に“風が変わった”と感じることがあります。同じ気温のはずなのに、風の中に湿度とは違う透明感が混じるような…。これは、暦の上では「大暑」を過ぎ、次の節気「立秋」に向かう頃だからです。
夏の真ん中でありながら、秋の入口にも立っているこの時期。空を見上げれば、入道雲の背後に筋状の雲が混じっていたり、夕方の色がどこか柔らかかったり。自然はすでに、次の季節への準備を静かに始めているのです。
日本の四季はただの「春夏秋冬」ではなく、細やかなグラデーションで移ろいます。7月と8月の狭間には、その繊細な変化を感じ取る力が試されているような気がします。
実は昔の人々も、この時期の微妙な変化に敏感でした。二十四節気や七十二候といった暦の中には、「大雨時行(たいうときどきふる)」や「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」など、この狭間を表す言葉がたくさんあります。こうした言葉からは、自然の機微を読み取る感性の豊かさが感じられます。現代では、エアコンやスマホの天気予報に頼りがちですが、たまには風の匂いや空の色、虫の声に意識を向けてみましょう。7月と8月の間にだけ吹く“あの風”を感じられたら、きっと今の季節をより深く味わえるようになるはずです。
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