布団から出られないのは意志の弱さではない|岡山の進学塾|加藤学習塾・個別指導塾

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布団から出られないのは意志の弱さではない

加藤学習塾ブログ

2025/12/23

冬の朝、「あと5分だけ…」「布団が離してくれない…」と感じるのは、多くの人が持つ共通の悩みです。しかしこの現象は、けっして意志が弱いからではなく、体内時計と環境が引き起こす“科学的に正しい反応”です。

人間の体は、起床前に「コルチゾール」というホルモンを分泌し、体温を上げ、脳を覚醒モードへと切り替えていきます。しかし冬は日の出が遅く、朝の光が弱いため、このホルモン分泌のスイッチが入りにくくなります。光は体内時計を調整する最も強い刺激ですが、冬の朝はその光が不足しているのです。

さらに、室温と布団の中の温度差が大きいと、自律神経が外の世界へ出ることをストップさせる働きを示します。人の体は急な温度変化をストレスと感じるため、「布団のほうが安全」と判断してしまうのです。これが、布団から出られなくなる第二の理由です。

また、冬はメラトニンという睡眠ホルモンが体内に長く残る傾向があります。暗い時間が長いほどメラトニン分泌も続きやすいため、冬の朝はどうしても眠気が抜けにくくなります。つまり、起きられないのではなく「身体がまだ起きる準備を終えていない」だけなのです。

教育的観点では、この現象は体内時計(サーカディアンリズム)を理解する良い題材です。光の刺激、温度変化、ホルモン分泌…これらすべてが人の生活リズムを作り上げています。授業で習う抽象的な体の仕組みが、朝のつらさという身近な現象にしっかりつながっていることがわかります。

対策としては、
・起床10分前に自動で暖房が入るよう設定
・カーテンを少し開けて寝て、自然光を取り込む
・起きたらすぐに白色光(明るめの照明)を浴びる
・寝る前のスマホ光を控えてリズムを整える
などが効果的です。

冬の朝のつらさは意志ではなく、生理的反応。自分を責める必要はまったくありません。身体が季節に合わせて適応している自然現象なのです。

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