焼きいもはなぜ甘くなる? ― 科学が教える秋の味覚の秘密
加藤学習塾ブログ
2025/11/03

秋の香りといえば、やっぱり焼きいも。
                                        ホクホクした甘さに思わず笑顔になりますが、実はあの甘さには“科学的な仕組み”が隠れています。
さつまいもに含まれているのは「でんぷん」。
                                        このでんぷんが、加熱によって“糖”に変わることで、あの優しい甘さが生まれるのです。
                                        鍵となるのは、アミラーゼという酵素。
                                        この酵素は60〜70℃の温度帯で最も活発に働き、でんぷんをブドウ糖や麦芽糖に分解します。
つまり、ゆっくりじっくり焼くほど酵素がよく働き、甘さが増すというわけです。
                                        石焼きいもが特に甘いのは、低温で長時間火を通しているから。
                                        電子レンジで一気に加熱するより、オーブンやフライパンでじっくり火を通す方が断然おいしく仕上がります。
また、さつまいもは収穫した直後よりも、少し寝かせたほうが甘くなります。
                                        これは、保存中にもでんぷんが糖に変わり続けるため。
                                        まさに「時間がおいしさを育てる」食べ物なのです。
焼きいもは、秋の恵みと科学の知恵が合わさった自然のスイーツ。
                                        一口食べるたびに、温かさと理科の面白さを感じられる秋の味覚なのです。
