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色の名前の不思議
加藤学習塾ブログ
2025/09/30
私たちの身の回りには数えきれないほどの色がありますが、日本語には特に繊細で豊かな色の表現が残されています。「藍色」「茜色」「萌黄色」「桜色」など、自然や暮らしに由来した名前は、ただ色を指すだけでなく、季節や情景まで想像させてくれます。
例えば「藍色」は古くから布の染色に用いられた藍染めが由来。「茜色」は夕暮れの空を染める赤、「萌黄色」は春の若葉の芽吹きを表現しています。このように色の名前には自然観察の鋭さと文化的な背景が反映されています。
一方、英語では「blue」「red」「green」といった基本色が中心で、細かい色味の表現は少ない印象です。日本語の色表現が文学や和歌、絵画などの中で育まれてきたのに対し、西洋では科学的な色彩学や光学が発展したことが影響しています。
また、日本では工業化の進展とともに色を標準化する動きも生まれました。JIS(日本工業規格)では数百種類の色が定義され、製造やデザインの分野で使われています。
色の名前は単なる言葉ではなく、文化の写し鏡です。お気に入りの服の色や、季節ごとの風景に名前を意識してみると、普段の景色がより鮮やかに見えてくるかもしれません。
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