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紅葉が赤く染まる理由
加藤学習塾ブログ
2025/09/25
秋の風物詩といえば紅葉。赤や黄色に染まった木々を眺めると、日本の四季の美しさを改めて実感します。では、なぜ葉は秋になると色づくのでしょうか。
春から夏の葉は「クロロフィル(葉緑素)」が豊富で緑色に見えます。しかし日照時間が短くなり気温が下がると、クロロフィルは分解されてしまいます。その代わりに目立ってくるのが黄色の「カロテノイド」や赤い「アントシアニン」です。特にアントシアニンは寒暖差が大きいとよく生成されるため、昼夜の気温差が激しい地域では紅葉が鮮やかになります。
つまり、美しい紅葉には「冷え込み」と「日当たり」が不可欠なのです。だからこそ山あいの渓谷や高地の湖畔が紅葉の名所として知られているわけです。
日本人が紅葉を愛でるようになったのは古く、奈良・平安の時代から。『古今和歌集』や『新古今和歌集』にも紅葉を詠んだ歌が数多く残されています。特に「紅葉狩り」という習慣は、もともと貴族が山に分け入って紅葉を鑑賞したことから始まりました。江戸時代になると庶民の娯楽として広まり、現代へと受け継がれています。
海外でも紅葉は美しいものとされますが、国土の大部分が温帯にあり、モミジやイチョウが多く自生する日本の紅葉は特に鮮やかです。訪日外国人観光客が秋に集中するのも納得です。
紅葉は単なる自然現象ではなく、科学と歴史と文化が交わる景色です。今年、紅葉狩りに出かけるときは、その仕組みや歴史を思い浮かべてみると、一層感慨深く楽しめるでしょう。
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